かわら版

■ 「土地所有権の放棄」 ■

 相続財産である不要な⼟地の所有権を放棄できませんか?
 結論から申し上げると現状では難しいものとなっています。
 親からの相続財産の⼟地で相続後は住まず、賃貸にも適さず、かといって売却も出来ないという⼟地は管理コストのみ掛かり相続したくありません。しかし、⼀部財産のみの相続放棄はできません。相続放棄する場合は全ての財産を放棄しなければなりません。
 相続財産を放棄した場合には固定資産税はかからなくなります。しかし、その⼟地を管理する義務はあります。誰かに売却等するまでは放棄した⼈で管理しなければなりません。

 では、⼟地を誰かに受け取ってもらえませんか?
 例えば国や地⽅⾃治体が受け取っているケースもあります。しかし、受け⼊れ数は少なく、⼤半が断られてしまいます。⽣前贈与を受けた⼟地の所有権を放棄して国に引き取るようにと裁判を起こした例もあります。
 法律上、所有権のない不動産は国のものとなるとなっており、所有権を放棄した⼟地は法律上国のものとなります。しかし、判決は国が引き取ることを認めませんでした。
 判決では「…不動産の所有者に認められる権利の本来の⽬的を逸脱し、社会の倫理観念に反する不当な結果をもたらすものであると評価せざるを得ないのであって、権利濫⽤に当たり許されない」という地裁判決が下され、この訴えを権利の濫⽤としています。
 国への寄付も難しいということで、⼀番引き取ってもらえる可能性が⾼い相⼿としては隣⼈などの個⼈になるかと考えられます。ですが、個⼈に寄付する場合には相⼿側で贈与税が発⽣する可能性があります。そこをあらかじめ検討する必要があります。
 個⼈ではなく、法⼈に寄附する場合も注意が必要です。
法⼈に対する寄附は⼟地を売ったときと同じ処理をしなければなりません。つまり、時価で売却があったものとして、そこから取得価額等を差し引いて利益の分に対して税⾦が掛ってきます。

 利⽤価値がなく、処分に困る不動産をどうするか⽣前から考える必要がありそうです。


かわら版