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■ 「森林環境税および森林環境譲与税の創設」 ■

 令和元年度の税制改正において、森林環境税および森林環境譲与税という新税が創設されました。この新税は、地球温暖化対策の国際的枠組みを定めたパリ協定の下における、わが国の温室効果ガス排出削減目標の達成や、災害防止等をはかるため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、創設されたものです。
 その概要は以下の通りです。

 (1)森林環境税の創設(令和6年度から課税)
① 納税義務者等:国内に住所を有する個人に対して課する国税となります。
② 税率:年額 1,000 円となります。
③ 賦課徴収:市町村において個人住民税と併せて徴収されます。
④ 国への払込み:市町村は都道府県を経由して税収の全額を交付税及び譲与税特別会計に直接払い込みます。

 (2)森林環境譲与税の創設(令和元年度から譲与)
① 譲与総額:森林環境税の収入額(全額)に相当する額です。
② 譲与団体:国が市町村および都道府県に対して譲与します。
③ 使途:市町村は、間伐や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備およびその促進に関する費用に使います。都道府県は、森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用に使います。
④ 譲与基準:市町村に対しては、総額の9割に相当する額を、私有林人工面積(5/10)、林業就
業者数(2/10)、人口(3/10)で按分して譲与します。都道府県に対しては総額の1割に相当する額を市町村と同様の基準により按分して譲与します。
⑤ 使途の公表:インターネットの利用等の方法により公表します。

 譲与税とは、国税として徴収した特定の税目の収入を、国が地方公共団体に譲与するもので、地方譲与税ともいいます。
 このあたりのことがわかりにくいことや、一般国民に対する影響は令和6年度からと、まだまだ先のことであることから、令和元年度の税制改正の際にはあまりマスコミ等で取り上げられませんでした。
 しかし、よく考えてみると、森林環境税は、国内に住所を有する個人が納税義務者とされており、この税制改正の国民生活に与えるインパクトは甚大であると言えます。
 一人当たり 1,000 円という負担は決して小さいものではありません。だからといって令和6年になってから反対してみても、すでに法律は成立しており、後の祭りです。また使途も反対しづらい内容です。このようにして国は国民から巧妙に税金をとっていくのです。


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