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■ 「相続時精算課税制度に注意を!」 ■

1 相続時精算課税制度の留意点(いま一度)
 相続時精算課税制度(本制度)とは、生前贈与をする場合、受贈者の選択により暦年課税制度に代えて、贈与財産のうち累積2,500万円を超える部分について贈与時に贈与税(20%)を支払い、その後の相続時にその贈与財産と相続財産とを合計した価額を基にした相続税額から既払贈与税を控除することにより贈与税、相続税を通じた納税をする制度です。
 本制度の大きな問題点は、その適用を受ける親子は一度その選択をすれば(暦年課税に後戻りできません)、所定の届出、申告を行い、その後、1円の免税点もなく贈与する都度贈与税の申告を行い、贈与者が死亡した時に贈与財産の贈与時の時価を確認して相続税の申告をしてその精算を行うことです。
 仮に、親が65歳の時に本制度を適用し、100歳で親が亡くなった場合、35年間も1円以上の贈与について記録しておくことが可能でしょうか。
また贈与税の申告を怠っている場合も想定されます。贈与税の期限後申告では2,500万円の累積非課税枠は利用できません。したがって、贈与財産の20%が贈与税として課税されます。暦年課税の非課税枠110万円を念頭に、少額な贈与財産にかかる贈与税申告を失念していないか細かな注意が必要です。本制度は平成15年から導入されていますが本制度の仕組みを再度確認しましょう。

2 戸籍の附票(入手に四苦八苦?)
本制度の適用に当たり受贈者の戸籍の附票の写しその他の書類で、受贈者が20歳に達した時以降の住所又は居所を証する書類(受贈者の平成15年1月1日以降の住所又は居所を証する書類でもOKです・・平成7年1月2日以前に生まれた方が平成28年1月1日以降に贈与を受け、相続時精算課税選択届出書を提出する場合)を添付することとなります。戸籍の附票は住民票と同様に住所履歴を表わしますが本籍地の市区町村が管理する記録です。このため、戸籍の移動が行われていない場合、ひとつの戸籍の附票の中に全ての住所履歴が記録されることになります。逆に住所を移動していない場合でも、結婚・離婚・養子縁組・養子離縁・他市区町村への転籍などにより戸籍の移動が行われた場合、ひとつの戸籍の附票では住所履歴の確認ができません。したがって異なる市区町村から戸籍の附票を入手することとなり結構手間がかかります。

3 戸籍の附票は何のために必要か?
 税務署は本制度の添付書類として戸籍の附票を重視しています。納税地を転々とする受贈者が本制度を適用した以降に異なる納税地で贈与税の申告をしていないか、また誤って暦年課税で贈与税の申告をしていないかなどを確認しているようです。なるほどですね。それにしても本制度は納税者と税務署との宝探しの様相と言えますね。マイナンバー制度が普及・定着すればこの添付書類についても改正されるでしょうか。


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