かわら版

■ 「HACCP(ハサップ)が東京五輪までに義務化へ!」 ■

 HACCP とは「Hazard Analysis Critical Control Point」の頭文字をとったものであり、「危害分析重要管理点」という意味で訳されます。世界的に導入が進められている食品衛生管理システムの一つです。
 国際的な食品流通がより活発になり、世界各地で発生している環境汚染や、微生物が食品に及ぼす安全性の低下が懸念されていることを発端として、食品の安全性を確保するための衛生管理体制の強化を図ることが世界中で広がっているのです。

 このHACCP ですが、EU(欧州連合)では2006 年に例外なく義務化されており、アメリカもそれに準じており、カナダ、オーストラリア、韓国、台湾、香港、インドネシア等の国でも限定的ではあるものの義務化が進んでいます。
 一方で日本においてはその義務化も含めて後手に回っているといわざるを得ないのが現状です。国内におけるHACCP の導入は任意となっており、食品製造業界における導入率は全体の30%(3 割)程度という調査結果も農林水産省から報告されて
います。

 この立ち遅れた状況を打開しようと、2018 年6 月に改正食品衛生法案が可決され、HACCP の制度化が決定したのです。この制度、いきなりの例外なき義務化なので、原則として食品の製造・加工・調理・販売などを行うすべての事業者が対象となかなか厳しい内容です。但し、実際に法令が効力を持つ「施行」までの期間は、公布から2 年を超えない範囲とされています。

 2 年後といえば2020 年。東京オリンピックの開催年。夏場に開催されるオリンピックは、期間中に食中毒などが発生してしまうことも十分ありえるので、その対策としてHACCP の完全義務化を急いだのでしょう。

 今は2018 年12 月、施行まで1 年半。十分対策を立てる時間はあります。新しい基準への対応は対象となる企業にとってはコスト負担ですが、コストは受ける側の売上。ビジネスチャンスとなる企業があるわけです。この改正が食の安全を高め、さらには経済を活性化させることを期待します。


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