かわら版

■ 「 シェアリングエコノミー促進の問題点 」 ■

 政府は、内閣官房内に「シェアリングエコノミー促進室」を置き、シェアリングエコノミーの促進を図っています。
 同促進室におけるシェアリングエコノミーの定義は、「個人等が保有する活用可能な資産等(スキルや時間等の無形のものを含む。)を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動」としています。

 ここで気になるのは、個人のスキルのシェアリングが明示されていることです。

 一般個人がスキルを求める場合、リタイアした人や副業で自身の有するスキルを安価に提供する人とつながることにより、スキル需要側とスキル提供側双方にとって win win の関係になると思います。
 しかしながら、スキル需要側に企業(及び個人事業主)を想定した場合はどうでしょう。
シェアリングエコノミーの促進により、低価格でスキルを提供する人が増え、誰でも簡単にこのようなスキル提供者にアクセスできるようになると、スキルの価格破壊につながりかねません。
 リタイアした個人が趣味の一環で、または、本業のある個人が副業として、プロレベルのスキルを提供するのであれば、通常の経済活動における水準とは乖離した低価格で提供される可能性が高く、当該スキルを本業とする個人や企業の経済活動に多大なる負の影響を及ぼしかねませ ん。
 この促進で確実に潤うのは、シェアリングエコノミー促進室の定義にもある「マッチングプラットフォーム」を提供するプラットフォーマーです。

 人生 100 年時代において、シェアリングエコノミーの促進によって、リタイアした後もお金を得て人の役に立つことが容易になることは良いことだと思いますが、それにより、プラットフォーマーである大企業のみが潤い、現役世代の経済活動に負の影響を及ぼすことは避けなければならないと思います。
 今後の政府の動向を注視したいと思います。


かわら版