かわら版

■ 税務支援のありかたについて ■

 毎年2月になると各地で確定申告の無料相談会が開催されますが、「確定申告無料相談会がなぜ開催されているか」を考えたことはありますでしょうか。確定申告無料相談会は日本税理士連合会の定める税務支援事業の一つですので、この問いを考えるにあたってまず「税務支援はなぜ必要なのか」について理解する必要があります。
 ご存知のとおり、税理士業務は税理士又は税理士法人にしか行うことができませんが、国民の中には納税義務が発生しながらも、税理士報酬を支払う資力に乏しい経済的弱者も存在します。この納税義務を有しながらも経済的理由で税理士報酬を払えない納税者に、社会公共的性格を有する税理士が対処しなければ、税理士業務の制限規定は国民の理解を得ることはできないでしょう。今、税理士が税理士業務を独占して行えるのは、税務支援制度があるからで、まさに「税理士業務の制限規定」と「税理士による税務支援」は表裏一体の関係にあると言えます。
 以上を鑑みると、税務支援はまさに税理士が自らのために実施すべきものでありますが、確定申告無料相談会は国税庁からの「受託事業」であります。つまり、国税局の入札等を税理士会が受託し、国税庁が作成した仕様書に基づいて実施・運営されています。つまり、実際に相談会会場を運営しているのは税理士会ですが、運営方法等指示を出しているのは国税庁であり、開催費用のほとんどを出しているのも国税庁です。
 多くの税理士会では確定申告無料相談会が最大の税務支援業務だと思いますが、その最大の税務支援業務が国税庁からの受託事業という実態に不整合を感じてしまいます。税務支援は①税理士会が行う「独自事業」②国税庁等からの「受託事業」③税務関連団体へ税理士を派遣する「協議派遣事業」が3つの柱となっています。税務支援の趣旨を考えると、税理士会は①税理士会が行う「独自事業」をもっと推進していくべきなのかもしれません。


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