相続かわら版

「遺言制度が改正されました!」

1 現行制度
 我が国の遺言制度は民法に規定されております。遺言には原則として自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。このうち、自筆証書遺言は、遺言者がその全文、日付、氏名を自署したうえ、これに印を押さなければなりません。また、加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指定し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければその効力が生じません。

2 公正証書遺言と自筆証書遺言の件数は増え続けています。
 公正証書遺言は平成19年(暦年)74,160件に対し、平成29年(暦年)110,191件とこの10年間で1.48倍に増加しております(日本公証人連合会HP)。
 一方、自筆証書遺言については作成数が不明ですが、家庭裁判所での遺言書の検認事件数が公表されています(平成28年度司法統計)。
 遺言書の検認数は、平成19年度13,309件に対し、平成28年度17,205件と公正証書遺言と同様に年々増加しております。

3 遺言制度の改正が行われました。
 このたび、自筆証書遺言の方式緩和、自筆証書の遺言書の保管制度、遺言執行者の権限の明確化、遺贈の担保責任に関する改正が行われました。このうち、自筆証書遺言の方式緩和、自筆証書の遺言書の保管制度の改正点について説明します。
(1)自筆証書遺言の方式緩和【平成31年1月13日施行】
 改正法では、自筆証書に財産目録を添付する場合、財産目録は自書不要となり財産目録はワープロ、コピーでもよいこととなりました。また、遺言者以外の人が作成することもできます。ただし財産目録の各ページに署名押印が必要です。
※遺言書の本文のみが自書となり事務負担が軽減されました。

(2)自筆証書の遺言書の保管制度【令和2年7月10日施行】
 遺言書について、偽造・紛失などのトラブルを避けるため、遺言書を法務局で保管する制度が新設されました。法務局で保管された遺言書については、閲覧や返還を請求することもできます。相続人や受遺者は、遺言者の死亡後、法務局に保管の有無や閲覧を請求することができます。また、「家庭裁判所における検認が不要」となりました。※法務局が預ける遺言書の様式チェックをしてくれる。また、家庭裁判所の検認手続きが不要になり、相続手続きが迅速に行えます。
☞ 来る施行日までに保管制度の細かな詳細が明らかになると思います。


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