かわら版

■ 事業成功のもとは知恵・才覚・勤勉・正直 ■

 江戸時代の経済事情を活写した西鶴の短編集「日本永代蔵」(1688)には、医術では到底治せない「貧病」という病を治す薬「長者丸」が登場します。毎日、「早起=勤勉」、「家職=本業」、「夜話=精進」、「始末=倹約」、「達者=健康」を適量調合して服せば貧病に効くということでした。さて、「長者丸」の効き目のためか、江戸時代には現代人の手本となる成功者が多く生きていました。
 昔も有名なのが「紀伊国屋文左衛門」です。師走の暴風雨をついて和歌山から江戸へミカン船を出し、正月の縁起物であるミカンを言い値で売って巨利を得ました。さらにその儲けを元手に木材商を開くこととなります。その後の活躍は言うまでもありません。
 また、三井八郎右衛門の越後屋(現在の三越)は、消費者ニーズの変化に呼応し、掛売りが主流だった従来の呉服屋とは異なる「現金大安売り」に方針転換して、事業拡大に成功しました。現代の三越はちょっと調子が悪いものの 300 年もの長きに渡って存続しています。
 こうした知恵と才覚、そして勤勉さと正直さが成功をもたらしました。


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