かわら版

■ 「未来投資戦略2017 の読み方」 ■

 去る6 月9 日、国会において「未来投資戦略2017-Society5.0 の実現に向けた改革」が閣議決定されました。
 折しも国会は加計学園問題の渦中にあり、そちらの方に話題は集中してしまった感がありますが、この未来投資戦略2017 は安倍内閣総理大臣が本部長になりすべての大臣が部員として名を連ねている日本経済再生本部で策定されたものです。
 この未来投資戦略2017 の趣旨は、長期のデフレ、少子高齢化、人口減少という日本の抱えている現状を踏まえ、今後日本としてどのような分野に注力していくことが必要なのかという観点からこれからの日本の進むべき方向性を具体的にデザインしたものであり、その鍵は「第4 次産業革命※1」のイノベーションをあらゆる産業や社会生活に取り入れることにより、様々な社会課題を解決する「Socirty5.0※2」を実現することにあるとしています。

 未来投資戦略2017 は具体的な戦略投資分野として以下の5 分野を掲げています。
① 健康寿命の延伸…データ活用による新しい健康・医療・介護システムの構築
② 移動革命の実現…データ活用による物流の効率化と移動サービスの高度化
③ サプライチェーンの次世代化…データ連動による革新的な製品・サービスの創出
④ 快適なインフラ・まちづくり…インフラ整備・維持管理の生産性向上
⑤ Fintech…金融関連サービスの利便性向上による企業の生産性・収益力向上

 このような取組が実を結ぶ鍵は、官民ともに個々の組織が従来路線を漫然と踏襲する「タコツボ」構造から脱却する思い切った変革であるとして、民間を交えた各協議会を積極的に開催してこれから個々の分野について構造改革を行っていくようです。
 わかりやすくまとめれば、第4 次産業革命によりあらゆる分野で生産性の向上を図り、それによって労働力が減少したとしても人口減少に直面している日本では失業率の増加につながることはなく、その部分で日本は有利な位置にいるとの考えに立ち、日本の未来と進むべき方向を志向しているものと読み取れます。

 せっかく議論を重ねて日本の将来像を描いたわけですから、まずはこのような考え方を国民全体が理解して、同じ方向に意識を向けることができるかどうかが重要ではないでしょうか。アベノミクスの第三ステージの効果を期待したいと思います。

※1 IoT、ビッグデータ、人口知能(AI)、ロボット、シェアリングエコノミー等による産業構造の変革をいう
※2 ①狩猟社会、②農耕社会、③工業社会、④情報社会に続く人類史上5 番目の新しい社会をいう


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