かわら版

■ 不動産取得税について ■

 不動産取得税は、言葉の通り不動産を取得した際に課税される税金です。現状個人の住宅取得などにおいては、一定の要件であれば減免されるようですが(詳しくは不動産会社のHP などご参照)、ここで記したいのは企業などで、事業再編の一環、もしくは債務リストラのため、子会社などを設立しそこへ親会社が有している含み益のある不動産を子会社に売却した場合に、親会社の不動産を取得した子会社がその不動産取得税の課税の対象になっていることについて、合理性があるかどうかということです。
 通達等では、企業分割の場合は不課税とされているようですが、企業分割ではいわゆる会計上で当該含み益のある不動産については売却益などが親会社(もしくは分割元の法人)には生じず、不良債権の処理の原資にならないため、融資元の金融機関などからもそれでは会計上バランスシートが綺麗にならないことから、企業としては売却益が出る方式を取らざるを得ないことになります。
 一般的にこのような状況では企業としてはなるべく金銭の流失は押さえたいわけで、法人税法では100%親子間の企業の間で出た不動産売却益については課税をしない、いわゆる益金不算入の取り扱いをしています(平成22 年度税制改正のグループ法人税制)。
 これにも関わらず、地方税の不動産取得税については、グループ間での売買であるが、別個の法人間の売買になるという理由から課税がなされている現状があります。当該課税が不合理だとする理由としては、①不動産移転の効果は企業分割となんら変わらない、②当該不動産については譲渡元の親会社が購入時に課税され納付しているにも係わらず、同じグループ内での移転に伴い再度課税されることは二重課税になる、③法人税において不動産売買において生じている売却益の課税も猶予している経済的配慮がここでは考慮されていない、などがあると思われます。
 現状、コロナ禍の影響で業績が著しく悪化している企業などでは、金融機関からの半ば強制のような形でリストラを行わずを得ない企業も散見され、含み益のある不動産を活用した生き残りを模索している中で、不合理な課税が行われている現状に遺憾を感じている今日この頃です。


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