かわら版

■ 長期修繕計画の必要性? ■

 顧問先に不動産関係が多いのですが、ビルオーナーが長期修繕計画を立案していないケースに遭遇するケースが多いです。ビルを1つしかもっていないような場合はまだ分かりますが、ビルを始めとして収益物件を多数所有しているオーナーでも、長期修繕計画を立案していないケースが多々見られます。
 なぜ長期修繕計画が重要かといいますと、長期修繕計画を立案することで、計画的に修繕を行うことができ、結果としてキャッシュフローも安定させることができ、ひいては不動産価値の維持・向上を図れるためです。
 また、建物の劣化が生じてからその都度修繕するより、劣化が始まる前に計画的に修繕する方が結果として、支出額も少なくなるという結果も報告されています。
 ではどのように長期修繕計画を立案すればよいのでしょうか。長期修繕計画を立案する前提として、外部業者に建物診断調査を行ってもらい、建物状況調査報告書(以下 ER)を入手するのが望ましいです。ER には、建物の劣化状況や今後どれくらいの修繕費用が発生すると見込まれるかの調査結果等が記載されます。建物の劣化診断においては、敷地・外構・屋根・屋上・外装・躯体・屋内(内装)の劣化状況が、また、設備の劣化診断においては、電気設備・給排水衛生設備・空調換気設備・防災設備・搬送機設備等の劣化状況が報告されます。
 その結果として、緊急を要する修繕費用・概ね 1 年以内に修繕が推奨される短期修繕費用・今後約 10 年に発生するであろう長期修繕費用が報告されます。
 この ER の結果を受けて、キャッシュフローを安定させることができるように、ER で報告された修繕計画より修繕の実施を前倒ししたり、あるいは後ろ倒ししたりといった対応が取られます。
 ちなみに、ER も一度取ればいいわけではなく、例えば 10 年に 1 回など取ることが望まれます。
 是非、不動産を所有している方で、長期修繕計画を立案していない場合は、まずは建物診断調査の要否を検討してみてはいかがでしょうか。


かわら版