相続かわら版

名義預金と名義株

~相続税・贈与税における税務判断~

 国税庁による令和元年 12 月の発表によれば、相続税の税務調査において申告漏れ財産の金額が一番多いのは現金預貯金等のようです。そのなかでも名義預金と呼ばれる実質的には被相続人の財産であるが、名義が違うものが問題となります。親が子供のために貯蓄する際、名義を子供にしているなどのケースです。
財産が誰のものであるかは、単に名義が誰かで判断せず、その財産の資金源が誰なのか、また管理等を誰が行っていたのかなどがポイントとなります。

 例えば、名義性が疑われる預金が名義人のものかどうかは、贈与の事実があればいいということではなく財産の管理及び運用も名義人が自らしていない場合や、財産の管理及び運用のみしていて贈与を受けた証拠がない等は名義人の財産であるか立証できません。
相続税においては、実質的に被相続人に帰属するものであれば課税の対象となってしまいます。

 また、同族会社の名義株についても同じことが言えます。昔は、旧商法の規定により発起人が7人以上必要だったので、親族の名義で株式の引き受け、払込みがされているケースがよく見受けられました。このケースですと、株主名簿上の名義人である株主と本来の所有者とが異なっている状態となっております。本来の所有者がお亡くなりになった場合、名義上は相続人となっていても、本来の所有者である相続人の相続財産として判定することとになります。名義株として認定されないようにするには、贈与税の申告・株主総会に参加し、議事録を作成・配当が生じた場合は受贈者の管理する口座に入金、確定申告を行っている等立証する必要がありま
す。

 相続税の申告を行うにあたり、財産の把握は大変重要となっております。土地や株式等の財産評価に関心が高くなりがちですが、税務調査で指摘される『名義の扱いが曖昧な財産』については生前に対策し、リスク回避するよう我々専門家に相談し対策が必要です。


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