相続かわら版

実家を相続した人に朗報

━なぜ住んでいないのに居住用の控除が使えるのか?━

 実家を相続した人が、その実家を売る時に、住んでいないのに居住用の3000万円控除が使えるようになります。なぜでしょうか?その謎を解き明かします。

平成28年度税制改正大綱が平成27年12月16日に与党から公表されました。相続に関しもっとも注目されるのが「相続後の空き家売却時の3000万円控除」の規定です。

 売却益から3000万円を差し引いて税金を計算するという「居住用の3000万円控除」は従来からありました。住んでいた母が売る時にはこれが適用されます。ところが高齢の一人住まいの母が売却するケースは稀です。

実務で多いのは、一人で住んでいた母の相続後、子供たちはそれぞれ自分の持ち家があり、母が住んでいた実家に子供たちが住まないケースです。
実家は空き家になります。それを売る時に、相続した子供は住んでいないため居住用の3000万円控除は使えませんでした。

 今回の税制改正では住んでいなくても相続した子供は、母が住んでいた実家の場合等一定の要件を満たしていれば、居住用とみなして3000万円控除が認められるようになりました。画期的な改正です。税法が事実と違うのに”みなして”敢えて恩典を作るのは稀です。

 その謎の解き明しは「空き家」です。空き家が全国で約820万戸(総務省平成25年調査)もあり、それを解消するのが国家重要課題になっているのです。そこで空き家を少なくするためには税法で、誘導できる対策を考えたのです。空き家を壊して売るなら3000万円控除を認めるという改正です。

 実家を相続してどうしようか?貸すか?住むか?売るか?空き家のままか?迷っている方に朗報です。売却時の税金が安くなりそうです。要件に当たるかどうか税理士に確認後ご決断ください。


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