今や人生 80 年とも 90 年ともいわれる長寿社会となりました。
それを受け、生命保険各社は来春にも保険料を改めるので、利用法を再検討してみましょう。
(注)2017/7/10 付日本経済新聞 朝刊
1、課税関係を把握した上で加入目的を明確にすることが大切です。
(パターン①) 保険料負担者が被保険者で保険料負担者と保険金受取人が異なる場合は、相続税が発生します。
( パターン② ) ( パターン③ ) も下記の表で示す通りです。
パターン① | パターン② | パターン③ | |
被保険者 | 父 | 父 | 父 |
保険負担者 | 父 | 子供 | 母 |
保険受取人 | 子供 | 子供 | 子供 |
受取人にかかる税金 | 相続税 | 所得税 | 贈与税 |
2、節税目的なら
⑴ 相続税の非課税枠を利用(パターン①)
非課税枠『500万円 × 法定相続人の数』までなら相続税はかかりません。
⑵ 相続税の非課税枠を超えたら、所得税も考えながら利用(パターン②)
『500万円 × 法定相続人の数』の非課税枠を超えていても、なお、生命保険には利用価値があります。
保険料相当額の現金を贈与して、保険料負担者と保険金受取人を同じにすると
① 贈与した保険料の分だけ相続財産を減らすことができます。
ただし、贈与した金額が一暦年110万円を超えた場合は、贈与税が課税されます。
② 受取保険金は一時所得(所得税・復興特別所得税・住民税)として計算されます。
※ 1/2課税なので税負担はどんなに重くても、27.9725%です。
3、遺産分割がもめる可能性を回避したいなら
⑴ 生命保険契約なら、お金に残したい人の名前をつけて残せます。
⑵ 相続財産の大半が分けられない不動産や非上場株式の場合、それらを取得した特定の相続人が、他の相続人に対する代償金を生命保険金によって準備することができます。
4、債務が多く相続を放棄したい場合
死亡保険金は相続財産には該当しませんので、被相続人に多額の借金がある場合、相続放棄をすることにより債務を承継することなく保険金を受け取ることができます。
5、相続時の手続きは預貯金等より簡単!