相続かわら版

相続空き家に係る3,000万円特別控除

~遺産分割時における留意点について~

 平成28 年に創設された、一定要件を満たす相続した空き家を相続開始後 3 年後の年内に譲渡した場合の譲渡益から 3,000 万円まで控除できる特例ですが、適用した事例が徐々に増えています。
 この特例は空き家を取崩し敷地のみを譲渡した場合でも適用ができますが、この場合にもその家屋を相続していることが要件となっているため遺産分割時に留意しておく必要があります。
 具体的には次のような場合には特別控除が出来ないことになります。
1)敷地のみを相続した場合
この特例は、相続人それぞれで適用要件の判定を行うことになりますので、各相続人が適用要件を満たすためには家屋(空き家)を相続していることが必要です。
従って長男が家屋(空家)と敷地(1/2 )を相続し次男は敷地 1/2 )のみを相続した場合には、次男は家屋(空家)を相続していないためこの特例を適用できないこととなります。
2)換価分割のつもりが代償分割となってしまった場合
換価分割とは、相続財産を売却したうえで売却代金を共同相続人間で分配する方法です。この場合、遺産分割協議書などにその家屋の換価代金の取得割合を定めておくことで取得割合に応じて特例を適用することができます。
実務上は共同相続人のうち1 人の名義に相続登記(単独登記)することでこの手続きが行われますので、この場合には遺産分割協議書に換価分割である旨の記載が重要になります。
その記載が無ければ代償分割(遺産の分割に当たって、共同相続人の1人(または数人)が現物財産(空き家)を相続し、他の共同相続人に対して債務を負担するもの)とみなされ、特例の適用ができるのは登記された本人のみとなり他の相続人はこの特例が適用できないこととなります。
 相続する空き家について売却を予定している場合には遺産分割時に以上の点にも気を付けて下さい。


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