相続かわら版

配偶者居住権と節税

 昨年の民法改正で配偶者居住権という新しい仕組みが始まりました。
そろそろ一年が経過し、優和の“相続”かわら版第 76 番でもご紹介させていただいておりますが、まだまだ馴染みがないらしくそれほど普及しているようにも思えません。
 配偶者居住権とは、自宅の権利を、「使う(住む)権利」と「その他の権利」に分離をして、住む権利は配偶者に、その他の権利は他の相続人に相続させることのできる仕組みで、相続発生時点で自宅に住んでいた配偶者にだけ認められる権利です。
 6 か月以上の長期配偶者居住権は登記をしなければ効力を発揮せず、また売却することも相続させることもできない、配偶者にだけ認められた特別な権利です。
 配偶者居住権や敷地利用権は配偶者の死亡とともに消滅しますので、相続税の対象にはなりません。
 従って配偶者居住権を設定すれば二次相続の相続税は原則節税となります。
ただし、小規模宅地の特例の適用関係によっては配偶者居住権を設定したことにより一次相続の相続税が増加する可能性がありますので、各ケース別に、二次相続のシミュレーションをしておく必要があります。

配偶者居住権が相続税の節税になるかどうかの検証は、以下のケース別に行います。

①配偶者居住権を設定しない場合で、二次相続時に小規模宅地の特例適用する場合
②配偶者居住権を設定しない場合で、二次相続時に小規模宅地の特例適用しない場合
③配偶者居住権を設定した場合で、一次相続時に相続人に小規模宅地の特例適用ある場合
④配偶者居住権を設定した場合で、一次相続時に相続人に小規模宅地の特例適用しない場合

 以上の4つのケースに分けて実際に一次相続と二次相続の合計税額を計算しておく必要があります。

 また一次相続時の被相続人が保有していた金融資産を配偶者と相続人がどのような割合で相続するのかによって大きく負担割合が変化しますし、また配偶者自身が保有している財産をも把握してシュミレーションしておく必要があります。
 配偶者居住権は相続税の節税だけ考えれば良いわけではありません。配偶者居住権にはリスクも存在します。またシュミレーションの計算も専門家でないと難しいかもしれません。最寄りの優和会計人グループのメンバーまでお問い合わせください。


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