かわら版

■ 忍び寄るインフレ ■

先日、ある会計士の先生が30年前に書いた、ゼミの卒論の話題になりました。
テーマはインフレ論でした。考えてみますと、この30年間日本はインフレよりはむしろデフレに多くの
経営者さん達が悩まされ続けてきました。
ところが最近は、世界的な資源価格の高騰や将来の日本の財政に対する不安等から、にわかにインフレ
の足音が聞こえてきているような気がします。
日銀も正式にインフレターゲットに軸足を移してきており、我々もそろそろインフレを意識しておく必要
があるようです。
確かにゆるやかなインフレはむしろ景気を刺激して、デフレより歓迎されるべきでしょう。
しかし一旦制御できない状態に陥れば、これもまた大きな負担(社会的コスト)を我々国民に強いること
になります。
インフレは、債務者には有利に働くかも知れませんが、債権者には大変ですし、貯蓄生活者、年金生活者
そして多くの給与生活者には大変な不利益を及ぼすことになるからです。
ここまでは一般的に知られ予想できることでしょうが、それ以外に市場経済の効率性を大きく阻害して
しまう可能性が指摘されています。
例えば、急激なインフレは将来の収益予想等を難しくし、価格による適正資源配分機能を困難にさせます。
また、目減りする預貯金は預金者の不安を煽り、銀行から資金の流出を促し、間接金融機能も機能不全に
陥れてしまう危険性が指摘されております。
いずれにせよ、頻繁に値札の差替えや価格改定交渉に臨まなくてはならない状態は、経営者にとってかなり
のストレスであることは間違いないでしょう。
我々会計事務所を営む人間にとっても他人事ではありません。
顧問料を毎月または毎週改定せざるを得なくなるような光景を想像してみてください。
ゾッとしませんか?
また、インフレも一旦インフレ期待(心理)に火が付いてしまいますと、デフレ心理と同様に居座り、
なかなか消えてくれないことも念頭に入れておかなければならないでしょう。


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