かわら版

■ 「がん保険」の税務上の取扱について ■

法人が自己を保険契約者、従業員を被保険者とした終身保障タイプの「がん保険」の税務上の取扱は、
「法人契約のがん保険(終身保障タイプ)・医療保険(終身保障タイプ)の保険料の取扱について」
(法令解釈通達。平成23 年8 月10 日法個117)により、終身払込の場合は保険料の払込の都度全額損金の額に
算入することとされていました。

したがって、払込保険料の全額が損金算入され、なおかつ、解約返戻金が高いところから、企業の節税効果が高く
節税型保険商品の代表として人気がある保険でした。

ところが、終身タイプのがん保険は保険期間の中途で解約した場合に多額の解約返戻金が生ずるところから
「支払保険料を単に支払の対象となる期間の経過により損金の額に算入することは適当ではない」として、
平成24 年4 月27 日をもって終身タイプの法人がん保険の保険料の全額損金算入は廃止されました。
(課法2-5、課審5-6)

新しい法人がん保険の通達による税務上の取扱は次のとおりです。

① 加入時の年齢から105歳までの期間を計算上の保険期間とし、保険期間の開始のときから105歳までの期間の
50%に相当する期間は支払保険料の半額を損金とし、残りを資産計上とする。

② 残りの期間については支払保険料の全額を損金算入するとともに、資産に計上していた保険料を
期間の経過に応じて取り崩して損金とする。

例えば、35歳で法人がん保険に加入したとすれば70歳までの35年間は支払保険料の半分しか損金に
算入できないこととなります。

理屈としては後半には全額損金算入されることになりますが法人のがん保険の加入時の考え方として
中途解約をもくろんでいる場合が多いことを考えると、支払の都度全額損金算入ができていた従来の
法人がん保険の取扱に比べたら節税商品としての魅力は半減されたということができます。

したがって、がん保険による節税戦略を考えていた企業は他の生命保険と比較しながら、企業の節税戦略の
見直しが必要となるのではないでしょうか。

なお、平成24年4月26日以前の契約については旧法人がん保険の通達が適用されますので今後も
保険料の全額損金算入が認められます。


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