かわら版

■ ハイリスクとハイリターン ■

投資の場面でハイリスク・ハイリターンという言葉をよく聞きます。
虎穴に入らずんば、虎子を得ずという格言と同義のように解している人が多いと思います。

しかし、その両者は全く異なったものです。
ハイリスク・ハイリターンは金融工学の中で生まれた言葉で、純粋に学問的な結果です。

投資の将来の収益は不確実性に支配されているため、その不確実性を表現するために、
リスクとリターンという考え方が生まれました。
リスクとは予想がどれだけブレるかを表し、リターンとは予想される平均的な収益を表すものです。

特にリスクという言葉は、一般的に使われる危険という意味ではありません。
すでにこの点で格言とは異なっている事がわかります。

将来の予想される収益のブレが大きい場合はハイリスクで、予想されるブレが小さい場合は
ローリスクといいます。

国債のように将来受け取る収益が確実なものはローリスクといい、株式のように将来の配当や
キヤピタルゲインがよく見通せないものはハイリスクといいます。

更に市場の価格調整が適正に機能している場合は、ハイリスクなものはハイリターンである
という関係が見られます。
市場には、合理的な経済人しかいない前提です。

しかし、現実の投資商品の売買の場面では、市場の価格調整は機能していません。
素人向けに金融商品を対面で売っている場合、他の市場の様子など分かりませんから、
説明を鵜呑みにするしかありません。
それ以前にリスクがどれだけあるか、誰にも分からないが本当のところです。

よくよく見てみるとハイリスク・ローリターンなもの、ローリスク・ノーリターンなものが転がっています。
夢々ローリスク・ハイリターンなものがあると思ってはいけません。
そういっているのは、お婆さんの衣装を着た狼なのですから。


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