かわら版

■ 交渉とは ■

国際ネゴシエーター島田久仁彦氏をご存知でしょうか?
「最後の調停官」と呼ばれ、世界各地で紛争解決に臨む島田氏が、
僅かな期間でいかにして対立当事者たちの心を掴むのか?
島田氏はこんな風に語っておられます。
『私が交渉や調停を行う際、まず心掛けているのが
「とことん相手の話を聴く」ということです。
交渉のプロと聞くと、一方的に相手を捲し立てて説き伏せる、
そんなイメージを持っている方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、交渉や調停における最重要事項は、とにかく相手に喋ってもらうこと。
その中で「相手が何をあえて言わないでおこうとしているか」を探り出し、
そこの本音をいかに引き出せるか、にあります。
そのため、私はひとたび質問を投げかけると
ニコニコしながら黙って聞き役に徹するようにしていました。
同時に、「相手の立場を理解し、尊重する」ことも重要なことだと思います。
戦闘地に行くと、当然交渉相手は軍服を着ています。
そこへ国連の水色のバッジを胸につけたスーツ姿の若造がやってくる。
現地の人たちがそんな人間をすぐに受け入れるか、答えはノーです。
とはいえ、仕事なのでスーツで行かざるを得ませんが、
私はスーツのまま地べたにも座りますし、
場合によっては「僕その服持ってないからちょうだいよ」と言って着替えたりもしました。
格好だけではありません。軍隊のランチを一緒に食べて、ここでもとにかく相手の話を聴く。
とりわけ、この戦いに懸けている思いや祖国に残してきている家族や恋人のこと、
彼らのそういう苦労話を聴いて一緒に涙を流すことも少なくありませんでした。
そうやって心底同じ目線に立って接していると、
仲間意識を持ってくれるようになり、
「こいつに任せたら何か状況を打開してくれるんじゃないか」と
信頼を得ることができるのです。』
企業経営にも役立ちそうですね。


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