かわら版

■ 社会福祉法人の新しい会計基準と監査体制の整備について ■

平成23年7月に社会福祉法人の新しい会計基準が制定され、
平成27年度には全ての法人が新基準に移行することになっております。
この新しい会計基準は、旧基準と同様に複式簿記を前提としており、
1年基準(ワン・イヤー・ルール)、金融商品の時価会計、
リース会計、退職給付会計、減損会計等の考え方が織り込まれています。
社会福祉法人は、その非営利性・公益性に鑑みて、
税制優遇措置や補助金の交付を受ける一方、
所轄庁による指導監査等による強い公的規制を受けております。
所轄庁(主に県や市)では、社会福祉法人会計基準に基づき作成された
財務諸表についても指導監査を実施することになりますが、
県や市の監査担当者は、必ずしも複式簿記や新しい基準の考え方に
精通しているわけではなく、財務諸表についての指導監査の実効性を
上げるためには何らかの対策が必要な状況にあります。
一方、平成14年8月に厚生労働省において
社会福祉法人審査基準等に係る通知の改正が行なわれ、
社会福祉法人の財産状況等の監査に関しては、公認会計士・税理士等による
外部監査の活用を積極的に行なうことが適当とされました。
特に、資産額が100億円以上若しくは負債額が50億円以上又は収支決算額が
10億円以上の法人については事業規模等に鑑み、
2年に1回程度の外部監査の活用が望ましいこと、
これらに該当しない法人についても5年に1回程度の
外部監査の活用を行うなど法人運営の透明性確保のための取組を
行うことが望ましいとされています。
上記通知は、一定規模の場合にあっても外部監査を
強制するものではないため、現状においては、
社会福祉法人の外部監査はあまり多く行われていません。
社会福祉法人の中には、毎年多額の黒字を計上し、
内部留保をため込んでいる法人が多いと言われ、
その活用方法について様々な議論が行われていますが、
有用な議論を行う前提として、社会福祉法人会計基準に基づき
財務諸表が適正に作成されること、
実効性ある監査体制を整備することが大変重要であると考えます。


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