かわら版

■ 中小企業の内部不祥事 ■

地元で老舗企業を営む友人からの不在着信記録、
久しぶりの飲み会の誘いかなと思い連絡してみたところ、
相手の声は意外にも沈んだものでした。
何があったか訊いたところ、
「今まで全幅の信頼を置いていた営業部長に得意先からの入金分3千万円程を
横領されていたことが発覚し、すっかり自信失ってしまった」との愚痴でした。
今まで信頼しきって全てをその担当者に任せていたことを反省、
今度は完璧な不正対策の構築を決意し、
多額の報酬を払い某コンサルタント会社に依頼したものの、
今度は職員の方から不満や時間外給与の増加そして従業員の突然の退職等で、
八方ふさがりに陥ってしまったとのこと、とても他人事とは思えませんでした。
中小企業の場合、手口としては現金横領(特に簡易な方法での)が
圧倒的に多いようで、結構あるようです。
その原因を私なりに考えてみましたが、「不正のトライアングル」を
利用して考えてみると便利のようです。
不正や不祥事は三つの要素(①動機②正当化③機会)によって
発生すると考える手法です。
これらの不正促進要素を実際に生じさせる中小企業特有の環境が
存在しているような気がします。
具体的には、以下のような特有の環境
(a)経営者の不祥事対策の後回し(b)ルール未整備(c)職員の低い帰属意
識等が考えられます。
例えば、売上重視の経営者のもとで内部管理態勢は後回しになりがちで、
それが先程述べた要素のうちの「不正の機会」を発生させてしまい、
ルール未整備が「機会」と「正当化」二つの不正要素発生原因となっていると
考えられるからです。
さらに給与が低く身分が不安定な下での低い帰属意識は
三つの全ての要素発生原因にもなっている考えられからです。
いずれにせよこのような不正を生みやすい特殊環境を
認識しておくことが必要でしょう。
ただ最初から完璧な対策の構築を考えるのではなく、
リスクの高い手口や場所に絞り込み、ある程度のリスクは覚悟していくが
経営者には求められているような気がします。


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