かわら版

■ 会計が世界を動かす ■

「権力とは財布を握っていることである」
アダム・スミス、カール・マルクス等が口を揃えて主張していた「帳簿」の力とは、一体何なのか。
今まで誰も考えなかった歴史の側面、会計(簿記)は経済のみならず、
組織や文化、しいては国家の財政を管理し歴史を作ってきたと
「帳簿の世界史」という本に書いてあります。
初めての会計記録は紀元前4000年から確認されていますが、
1400年代に入ると、財産やお金の管理の必要性からイングランド、スペイン、
オーストラリア、ドイツ等の王たちも会計に興味を示しています。
その後、イタリアの商人により、出資した資金を分配するために、
損益のみならず財産の増減が分かる複式簿記が発明されました。
フランスにおいては、複式簿記は、企業を詐欺破産や財産隠匿から守ることを
目的とした法律(法典)の計算ツールとして採用されました。
そこでは財産隠匿等をすれば死刑に処されたこともありました。
一方、アメリカ建国時に建国に携わった建国の父である
ジェファーソンやワシントンも簿記に精通しており簿記技術を駆使して、
当初借金だらけのアメリカを立てなおしました。
1920年代の世界大恐慌の大きな原因は、企業の水増しバランスシート等
不正会計が行われ、株式市場が疑心暗鬼となりパニックになったことです。
リーマンショックでは会計処理方法が複雑になりすぎて、
強欲者と恥知らずが自分の都合の良いように会計操作ができるような
会計システムの脆弱さが露呈されました。
同様なことはルネッサンス期のイタリアやスペイン、
フランスの発展期の会計にも一定の法則がみられます。
最初に目覚ましい成果を上げたかと思うと、
いつの間にか怪しい闇に引き込まれてしまうのです。
つまり、経済破綻は金融システムの中に組み込まれており、
いくら規制してもウィルスのように絶えず変化する金融技術や
ツールの餌食となってしまうことがあります。
しかし、会計が文化の中に組み込まれた社会が繁栄していることは
歴史が証明しており、そのためには文化的な高い志を取り戻すべきです。
さて、あなたは財布を握っていますか?


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