かわら版

■ 社会福祉法人制度改革について ■

―公認会計士は社会福祉法人の良き支援者たれ―
第189回通常国会で審議された社会福祉法等の一部を改正する法律案は、
安全保障関連法案が混乱したあおりを受けて継続審議となりました。
本改正案は与野党対決法案でもなく次回の臨時国会又は通常国会で承認
可決される見込みです。ここでは、社会福祉法人制度の改革案のうち、
公認会計士業務に関わる主な事項について概要を説明します。
(1) 経営組織のガバナンスの強化
① 社会福祉法人の内部管理を強化するため、理事会や評議員会、
役員等の役割や権限、責任の範囲等を法律上明記する。
② 現行制度では原則諮問機関である評議員会を、必置の議決機関
とし、理事、理事長に対する牽制機能を働かせるため、評議員会に理事、
監事、会計監査人の報酬や選任・解任等の重要事項に係る議決権を付与する。
また、理事と評議員会の適切な牽制関係を築くため、理事と評議員の兼任を
禁止する。
③ 収益が10億円以上もしくは負債が20億円以上の法人に、会計
監査人(公認会計士又は監査法人)の設置を義務付ける(平成29年4月1日施行)。
(2) 事業運営の透明性の確保
定款、貸借対照表、収支計算書、現況報告書、役員報酬基準等の公表を
法令上明記した。
(3) 財務規律の強化
① 役員報酬等について、理事会の議決を経て理事長が定める現行の
取扱いを改め、定款の定め又は評議員会の決議のより決定する。
② 役員等関係者への特別の利益供与の禁止を法令上明記する。
③ 「社会福祉充実残高(再投資財産額)」(純資産の額から事業の
継続に必要な財産額を控除等した額)の明確化。「社会福祉充実残高」を
保有する法人に対して、社会福祉事業又は公益事業の新規実施・拡充に係る
「社会福祉充実計画」の作成を義務付け。なお、社会福祉充実計画の作成に
当たって公認会計士・税理士等の意見聴取義務が義務化(平成29年4月1日施行)。
以上、今回の社会福祉法人制度改革のうち、公認会計士に関わりがある事項
について説明しました。会計監査人設置義務、社会福祉充実計画への関与など、
適正な財務諸表を前提とした制度改革となっており、公認会計士・税理士の社
会的責任はさらに重い。また、今回の制度改革は、公益法人制度改革の骨格を
社会福祉法人制度にも踏襲した点が多く見られ、社会福祉法人には、公益性の
高い社会福祉事業を主たる事業とする目的等に照らし、公益財団法人等と同等
以上の公益性・非営利性を確保することが求められている。


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