かわら版

■ 沖縄の活況と地域金融の課題 ■

日本経済は、2015年10?12期のGDPが前期比△1.1%のマイナス成長と
なっています。企業はデフレ期を通じて現預金を積み上げ、その額は350兆円
とも言われていますが、新規の設備投資は控え目で、労働分配率は向上する
どころか低下しています。原料安のメリットを言うより、販売不振の傾向が
顕著になりつつあり、先行の暗さを感じさせます。
一方、現下の沖縄経済は、観光や物流などで活況を呈しています。空港の
拡張、モノレールの延長、西海岸の湾岸道路など公共投資も実施中であり、
将来に対する期待も大きいものがあります。
しかし、その活況は国内比較あるいは沖縄の過去比較であり、類似地域の
香港、シンガポール、台湾、韓国等との比較ではまだまだです。
そのうえ、沖縄の分母としての経済基盤は、他の地域に比較して小さく、
経済に与えるインパクトは過大に評価されがちです。
今般、沖縄総合事務局が開催する「地域密着型金融に関するシンポジウ
ムinおきなわ」において、コーディネーターを務めさせていただきました。
各界のパネリストに対するテーマは二つ。
「前半」は、沖縄経済、産業、企業の活況を本物にできるか、企業経営者の
意識のレベルを引き上げ、企業、産業、経済の将来につなぐことができるか、
などです。
「後半」の地域金融機関の役割については、リレーションシップバンキングも
13年を経過しました。現在、地価は回復せず、土地は担保として必ずしも充分と
は言えなくなっています。事業が最も確実な担保となってきています。
効果的な融資のためには、産業的視野での事業性評価と企業のガバナンスの強
化が必要であり、金融機関には、地域の頭脳や情報を結集したシンクタンク的な
提言に基づいた企業評価や資金の提供を行うことが期待されています。


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