かわら版

■ 「登記の公信力」と「実質の所有者」 ■

銀行からの住宅ローンを法人では使えない場合、個人として住宅ローン
を借りて住宅を建て、法人が所有するということがあります。つまり、
個人の名前を借りて、法人が建物を所有するということです。
しかしこの場合は、銀行との金銭消費貸借契約上も、また建物を建築
する際の建物建築請負契約書上も、法人は個人の名前を借りることになり
ます。
また、表示登記、保存登記、抵当権の設定登記に関しても、法人はすべて
個人の名前を借りて登記しなければなりません。
もちろん、財務的にはすべて法人の計算で行いますから、頭金の出損
から元金返済、利息の支払い、諸費用の支払いも法人が行います。法人
としては、自分の所有資産ですから、賃貸もするし自己使用もします。
建物の減価償却費や固定資産税も、形式上個人名のままで法人が行うこと
になります。
このような状況下では、この取引内容を知らない銀行に対しては「所有
者が法人である」と対抗できませんが、この内容を法人の確定申告書等で
知っている第三者(悪意の)である税務署には主張できます。
また、日本の登記法では公信力が認められておりません。したがって、
借入金がすべて返済されて銀行等の第三者(善意の)に対抗する必要がな
くなった場合には、「真正なるものの回復登記」で、不動産取得税を掛け
られることなく本来の法人の所有に登記を変更できるのです。
(但し、法人のB/Sに当初からその物件が記載されていることを証明する
必要があります。)
この行為がもし税金を安くする目的で行われた場合には、税務的に否認
される可能性があります。しかし長期安定型の仕事を持っている方には、
住宅ローンのように超長期の「期限の利益」を使って不動産を増やす方法
として考えられます。
そして、これを持分のない一般社団法人の計算で行えば、相続も永久に
なくなる結果となります。


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