かわら版

種類株式を利用した事業承継・相続対策

相続財産のほとんどが自社株であるといった場合、他に分割できる財産が少ないため、事業承継する子以外の子供にも自社株が相続されることがあります。被相続人たる親としては、これにより自社株が分散するため、将来子供や孫たちの間で争いの種になったり、事業に混乱をきたすことが危惧されるということになります。
昨年施行された会社法により種類株式の制度が拡充されたので、このような危惧を取り除くために、種類株式の発行を利用することが考えられるようになりました。
たとえば、種類株式として議決権制限株式と取得請求権付株式の組み合わせを用います。(ちなみに、議決権制限株式とは、株主総会において議決権を行使することができる事項について、他の株式とは異なる定めを置く株式のことで、取得請求権付株式とは株主が発行会社に対していつでも株式の取得を請求することができる株式のことです。)
被相続人で大株主たる社長が、あらかじめ普通株式と議決権制限株式を持っておき、相続に際して遺言書で事業承継者に普通株式をそれ以外の子に議決権制限株式を相続させるようにするのです。それにより相続による議決権の分散を避け、事業承継がより円満に行えるようにするわけです。さらに、事業承継しない子に相続させる株式を取得請求権付株式にしておけば、不満の出る可能性も少なくできます。
平成19年度税制改正により、種類株式についての評価も明らかにされたことですので、事業承継対策のひとつとしてご検討されることをお勧めします


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