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厚生労働省から「カスタマーハラスメント企業対応マニュアル」が公表

 令和2年6月に開始された、パワーハラスメント防止措置の義務化について、中小企業は適用が猶予されていましたが、猶予期間が終了し、令和4年4月から中小企業においても義務化されます。
 厚生労働大臣が定めるパワーハラスメント防止に関する指針において、カスタマーハラスメントについても、職場におけるパワーハラスメント防止等のための望ましい取り組みの中に含まれていますが、この度、厚生労働省から「カスタマーハラスメント企業対応マニュアル」が公表されましたのでご紹介します。

◆カスタマーハラスメントとは
 カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先など(以下「顧客等」)からのクレーム全てを指すものではありません。顧客等からのクレームには、商品やサービス等への改善を求める正当なクレームがある一方で、過剰な要求を行ったり、商品やサービスに不当な言いがかりをつける悪質なクレームもあります。不当・悪質なクレーム、いわゆるカスタマーハラスメントからは従業員を守る対応が求められます。

◆カスタマーハラスメントの判断基準
 顧客等の行為への対応方法は、企業ごとに違いがあります。一定のレベルを超えた場合に悪質であるとしても毅然と対応している企業もあれば、顧客第一主義の中で「お客様が納得いくまで対応する」との基準を設けている企業もあります。
 企業や業態、企業文化などの違いから、カスタマーハラスメントの判断基準は企業ごとに違いが出てくる可能性があることから、各社であらかじめカスタマーハラスメントの判断基準を明確にした上で、企業内の考え方、対応方針を統一して現場と共有しておくことが重要と考えられます。

◆カスタマーハラスメント対策の基本的な枠組み
 企業がカスタマーハラスメント対策の基本的な枠組みを構築するため、カスタマーハラスメントを想定した事前の準備、実際に起こった際の対応として、以下の取組を実施するとよいでしょう。
・カスタマーハラスメントを想定した事前の準備
① 事業主の基本方針・基本姿勢の明確化、従業員への周知・啓発
② 従業員(被害者)のための相談対応制の整備
③ 対応方法、手順の策定
④ 社内対応ルールの従業員等への教育・研修

・カスタマーハラスメントが実際に起こった際の対応
 ⑤ 事実関係の正確な確認と事案への対応
 ⑥ 従業員への配慮の措置
 ⑦ 再発防止のための取組
 ⑧ ①~⑦までの措置と併せて講ずべき措置

 今回ご紹介した内容以外にも、カスタマーハラスメントに関する企業責任の裁判例等、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に掲載されていますので、ご確認ください。

【厚生労働省ホームページ カスタマーハラスメント対策企業マニュアル】
こちら


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