医療福祉経営通信

基金拠出型医療法人

第5次医療法改正により、現在新たに設立できる医療法人は持分の定めのない社団法人又は財団
法人に限られています。
(従来の持分の定めのある社団法人は経過措置型医療法人と位置づけられ当分の間存続が認められ
ています。)

基金拠出型医療法人とは持分の定めのない社団法人で、基金制度を採用した医療法人を言います。
基金制度を採用する場合には、基金の拠出者の権利や返還手続き等の規定につき定款で定める
必要があります。
基金は、金銭・その他現物の財産による拠出が可能であり、拠出を受けた医療法人は定款の定めに
従い返還義務を負うこととなります。
持分の定めのある医療法人においては、出資社員が退社した際の当該社員からの払戻請求権を行使
された場合の問題、出資持分に対する相続税課税問題等の課題があります。
この点、基金拠出型医療法人においては、拠出された基金の返還時には拠出した金額を限度として
金銭で返還され利息を付すことも認められていないことから、前述のような課題の解決手段の
一つとして検討する価値はあると考えられます。 
ただし、経過措置型医療法人から基金拠出型医療法人への移行を検討する場合には、基金拠出額の
設定あるいは出資持分の処分等に係る贈与税課税や配当課税等の課税関係に注意し、すすめる必要
があります。

厚生労働省より発表された統計結果によれば、平成22年3月31日現在の基金拠出型医療法人数は
1,656法人でこの1年間で884法人増加しています。 
九州・沖縄地区の基金拠出型医療法人数は201法人で、この1年間で99法人増加しています。特に
福岡では93法人とこの1年間で40法人の増加となっています。

詳しくは下記こちらを参照下さい。

篠原公認会計士事務所グループ 医療経営かわら版推進室


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