医療福祉経営通信

平成23年受療行動調査の概況について

厚生労働省において、全国の医療施設を利用する患者の、受療の状況や受けた医療に対する満足度等の調査結果の概況が発表されました。
この調査により患者の医療に対する認識や行動を明らかにし、今後の医療行政の基礎資料を得ることを目的としているようです。

概要の報告は以下の内容について行われています。

1 病院を選んだ理由
2 病院を選択する際の情報源
3 予約の状況、診察までの待ち時間、診察時間(外来患者のみ)
4 自覚症状(外来患者のみ)
5 セカンドオピニオン(他の医師の意見)
6 医師からの説明の有無、理解度、説明に対する疑問や意見
7 入院中の他医療機関の受診状況(入院患者のみ)
8 複数科受診の状況(外来患者のみ)
9 今後の治療・療養の希望(入院患者のみ)
10 退院の許可が出た場合の自宅療養の見通し(入院患者のみ)
11 病院で請求された金額、世帯の収入、負担感(外来患者のみ)
12 満足度
13 医療機関に対する不満感、不満を感じたときの行動

例えば、『1 病院を選んだ理由』では、外来では「以前に来たことがある」が38.0%、次いで、「自宅や職場・学校に近い」が37.6%、入院では「医師による紹介」が49.0%、次いで、「以前に来たことがある」が34.9%、「医師や看護師が親切」が34.7%となっています。 
病院の種類別にみると、外来では特定機能病院と大病院が「医師による紹介」、中病院は「以前に来たことがある」、小病院と療養病床を有する病院は「自宅や職場・学校に近い」が最も多く、入院はすべてにおいて「医師による紹介」が最も多くなっています。

『2 病院を選択する際の情報源』では情報を入手したと回答した患者の統計は、外来が51.6%、入院が55.3%なっており、「特に情報は入手していない」と回答した患者は、外来が38.8%、入院が35.3%となっています。 
病院を選択する際の情報源を項目別にみると、「医療機関の相談窓口」が外来26.0%、入院42.4%と最も多く、次いで、「病院が発信するインターネットの情報」で外来13.2%、入院10.6%、「病院の看板やパンフレットなどの広告」では外来11.9%、入院8.8%となっています。

『12 満足度』では、外来患者による項目別の満足度で「満足」の割合が最も多いのは「医師以外の病院スタッフの対応」で49.3%、次いで、「医師との対話」が48.8%、「医師による診療・治療内容」が46.7%となっています。 
一方、「不満」の割合が最も多いのは「診察までの待ち時間」で25.3%、次いで、「診察時間」が7.8%、「精神的なケア」が6.0%となっています。

詳細については厚生労働省HPをご覧ください。

           篠原公認会計士事務所グループ 医療経営かわら版推進室


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