医療福祉経営通信

持分なし医療法人への移行計画の認定制度について

 平成29年1月16日付で厚生労働省のHPに『持分なし医療法人への移行計画の認定制度について』の資料掲載が行われました。
 この掲載資料では、「平成18年改正医療法による医療法人制度改革について」、「持分なし医療法人への移行計画の認定制度について」並びに「医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の延長等について」、それぞれ制度概要が解説等されています。
資料中の医療法人制度改革についてや認定制度についてでは、これまでの制度概要が簡潔に紹介されています。
 医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の概要と延長等ついてでは平成29年税制改正大綱より当該制度の概要が紹介されています。
この概要のポイントは以下の3点です。

①認定期間は3年延長(平成29年10月~平成32年9月予定)し、税制上の特例措置(相続税、贈与税の猶予・免除)も延長
②認定医療法人については、移行の際の法人への贈与税を課税しない
③認定要件(運営の適正性要件)を追加し、移行後6年間、当該要件を維持している
事を確認

 特に認定要件に関しては、「役員数、役員の親族要件、医療計画への記載等の要件を緩和」、「贈与税の非課税対象が大幅に拡大」される予定であることが併せて紹介されています。
 現段階では税制改正大綱で示された法案の成立を待ち、その後の取扱い(役員数、役員の親族要件、医療計画への記載等の要件を緩和、贈与税の非課税対象が大幅に拡大される場合の具体的な要件)に関する政省令等が公布されるものと思われます。
 現制度化での対応で、一定の贈与税を負担し持分の移転を行っている場合や持分なし医療法人への移行検討を行っている場合、今回の改正及び取扱いの結果によっては、有益と考えられている対応策が違った評価となる可能性を含むのではないかとも思われるため、しっかりと見極めた上での対応が必要ではないかと考えられます。
 取扱い等が明確になるにはもうしばらく期間を要すると思われますが、今後の法案成立と政省令の公布に注視が必要です。

「持分なし医療法人への移行計画の認定制度について」(厚生労働省HPより
こちらのページをご覧ください。

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