医療福祉経営通信

社会福祉法人が行う介護事業への課税を言及(税制調査会)

平成26年6月27日に開催された政府税制調査会の総会において、『法人税の改革について(案)』が了承され成案となりました。
この中で、法人税改革の趣旨として、「立地競争力を高めるとともに、わが国企業の競争力を強化するために税率を引き下げること」、「法人税の負担構造を改革すること」が示されました。
この点、例えば具体的な改革事項として、「租税特別措置の見直し」、「欠損金の繰越控除制度の見直し」、「減価償却制度の見直し」に加えて、「公益法人課税等の見直し」について言及されていますが、この「公益法人課税等の見直し」の中で、社会福祉法人に関しても次の通り検討が必要とする趣旨の記述が含まれています。

(以下該当箇所抜粋)
「公共的とされているサービスの提供主体が多様化し、経営形態のみによって公益事業を定義することが適当でなくなっている。こうした市場の変化を踏まえ、公益法人等や協同組合等に対する課税の抜本的な見直しを行う必要がある。特に介護事業のように民間事業者との競合が発生している分野においては、経営形態間での課税の公平性を確保していく必要がある。 (中略) 特に収益事業の範疇であっても、特定の事業者が行う場合に非課税とされている事業で、民間と競合しているもの(例えば社会福祉法人が実施する介護事業)については、その取扱いについて見直しが必要である。」

また、収益事業に関する記述においても、「収益事業の規定方法については、従来から、現行の限定列挙方式でなく、対価を得て行う事業は原則課税とし、一定の要件に該当する事業を非課税とすべきとの指摘があり、(以下略)」と示されました。

前回の記事で紹介しました産業競争力会議における非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)も今年度に具体的な方向性が示されるものと予測されます。 こちらもその政策の対象に社会福祉法人も含まれています。
法人税の改革も含め、医療機関等だけでなく、社会福祉法人にとっても今後の動向に注視が必要といえます。

『法人税の改革について』の内容・詳細は内閣府のHPをご参照下さい。

           篠原公認会計士事務所グループ 医療経営かわら版推進室


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