厚生労働省から、平成30年度に長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が実施した、監督指導の結果が公表されました。
この監督指導は、各種情報から時間外・休日労働時間数が1か月当たり80 時間を超えていると考えられる事業場や、長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場を対象としています。
対象となった29,097 事業場のうち、11,766 事業場(40.4%)で違法な時間外労働を確認したため、是正・改善に向けた指導を行いました。なお、このうち実際に1か月当たり80 時間を超える時間外・休日労働が認められた事業場は、7,857 事業場(違法な時間外労働があったもののうち66.8%)でした。
以下が今回の監督指導結果のポイントです。
⑴ 監督指導の実施事業場: 29,097 事業場
このうち、20,244事業場(全体の 69.6%)で労働基準関係法令違反あり。
⑵ 主な違反内容[(1)のうち、法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]
① 違法な時間外労働があったもの: 11,766事業場( 40.4%)
うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が月80 時間を超えるもの: 7,857 事業場(66.8%)
うち、月100 時間を超えるもの: 5,210 事業場(44.3%)
うち、月150 時間を超えるもの: 1,158 事業場( 9.8%)
うち、月 200 時間を超えるもの: 219事業場( 1.9%)
② 賃金不払残業があったもの: 1,874 事業場( 6.4%)
③ 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの: 3,510 事業場(12.1%)
⑶ 主な健康障害防止に関する指導の状況[(1)のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]
① 過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの: 20,526事業場( 70.5%)
うち、時間外・休日労働を月80 時間※以内に削減するよう指導したもの: 11,632 事業場(56.7%)
② 労働時間の把握が不適正なため指導したもの: 4,752 事業場(16.3%)
平成31年4月1日の労働基準法の改正(中小企業は令和2年4月1日)において、年720時間の時間外労働の上限時間が設定され、以下の労働時間の上限も設けられました。
1.休日労働を含み、2か月ないし6か月平均で80時間以内
2.休日労働を含み、単月で100時間未満
3.月45時間(1年単位の変形労働時間制の場合は42時間)の時間外労働を上回る回数は、年6回まで
(適用除外等は除く)※36協定にて特別条項を締結した場合
これに伴い、今後も時間外に関する監督指導が重点的に行われることが予想されます。
厚生労働省ホームページ
【長時間労働が疑われる事業場に対する平成30 年度の監督指導結果を公表します】
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