院外処方とは厚生労働省が進める医薬分業の制度に伴い行われるものです。
医師師が薬を渡す代わりに院外処方せんを発行し、保険薬局の薬剤師が処方内容、薬の飲み合わせ等を
再確認し、お薬を渡すシステムです。
このシステムは世界の先進国のほとんどで実施されており、現在我が国では全国の病院、診療所で出される
外来処方のうち50%以上が院外処方せんとなっています。
薬価ダウンによる先発品の薬剤の薬価差額が僅少な現状では、特許期限切れの後発薬品(ジェネリック)を
使用しない場合の薬価差益はわずかです。
院外処方に移行した場合に発生する処方せん料を加味した診療報酬の損益試算と現状の院内処方での
損益の比較を行い、医薬分業移行の検討を行うことも有用です。
H20年版厚生労働白書によると、H18年度における医薬分業率は55.8%です。
【院外処方見直しの主なポイント】
1.医療経営の合理化・スリム化の検討
2.レセプトの審査請求等、事務負担の軽減効果の検証
3.薬価差額の縮小への対応
4.消費税率アップへの対策
5.薬に関する医療訴訟のリスク回避
【患者にとってのメリット・デメリット】
(メリット)
1.処方せんの交付による処方内容のオープン化
2.薬剤師による薬の充分な説明・服薬指導が受けられる。
3.調剤待ち時間の減少
(デメリット)
1.自己負担額の増加
2.病医院と薬局の2ケ所へ行かなければならない。
【病医院にとってのメリット・デメリット】
(メリット)
1.医薬品の購入に関する交渉・管理、請求事務からの解放、人件費の削減
2.調剤室・医薬品倉庫が不要となる。
3.調剤ミスが起こらない。
4.処方せん料が発生する。
(デメリット)
1.院内投薬による加算が得られない。
2.製薬会社、医薬品卸からの情報が減少する心配がある。