労務通信

65歳以上の雇用保険マルチジョブホルダー制度 事業主が行う証明等について

 9月の労務通信で掲載しておりましたとおり、令和4年1月から65歳以上対象の雇用保険のマルチジョブホルダー制度が施行されます。マルチジョブホルダーとは、2つの雇用保険適用事業に雇用される労働者(それぞれ週所定労働時間が5時間以上20時間未満)が、2つの適用事業の週所定労働時間が合算して20時間以上ある場合に、労働者本人の申出を起点に雇用保険に加入できる制度です。
 マルチジョブホルダーの雇用保険資格・喪失手続きは適用を希望する労働者本人が行いますが、手続きに必要な証明等を労働者から求められたときは、会社はそれらの証明等を速やかに行う必要がありますので、事業主が行う内容についてご紹介します。

【資格取得時】
※1つの事業所における週所定労働時間5時間以上20時間未満であることが条件
 ◆マルチジョブホルダー雇入・資格取得届の事業主記載事項の記入及び証明
  (賃金、雇入年月日、職種、1週間の所定労働時間、契約期間の定め等)
 ◆取得時添付書類の発行 
   ・賃金台帳、出勤簿の写し(原則、記載年月日の直近1ヶ月分)
   ・労働者名簿の写し
   ・雇用契約書、労働条件通知書、雇入契約書等の写し
  ※省略はできないこととなっているため、必ず本人にお渡し下さい。
 
【資格喪失時】
  ※1つの事業所で週所定労働時間5時間未満又は20時間以上となった場合又は、
   2つの事業所の合計が週所定労働20時間未満となった場合等
 ◆マルチジョブホルダー喪失・資格喪失届の事業主記載事項の記入及び証明
  (マルチジョブ離職年月日、マルチジョブ喪失原因、1週間の所定労働時間等)
  ※雇用が継続しており、雇用契約に変更がない事業所においても喪失届の記載が必要になりますので、申出人(被保険者)に確認のうえ、もう一方の事業所における離職年月日、喪失原因、1週間の所定労働時間を記入いただく必要があります。
 ◆離職証明書の記入及び証明(交付依頼があった場合)
   ・離職等した事業所の場合 → 通常の被保険者と同様です。
   ・雇用が継続しており、雇用契約に変更がない事業所の場合
     → 賃金算定対象期間、賃金額、離職理由等の記載は不要です。
 ◆離職証明書添付資料の発行(離職証明書の交付依頼がない場合は不要)
   ・出勤簿の写し
   ・賃金台帳の写し(離職等した事業所の場合)
  ※省略はできないこととなっているため、必ず本人にお渡し下さい。

 マルチジョブホルダー被保険者が1つの事業所を退職又は週所定労働時間が5時間未満もしくは20時間以上となった場合等は、被保険者である従業員は資格喪失届や離職証明書を2社分ハローワークへ提出する必要があります。
そのため、雇用が継続しており、雇用契約に変更がないもう1社においても、資格喪失届や離職証明書を記入・証明し、被保険者である従業員へ添付資料と共に渡していただく必要がありますのでご注意ください。

詳細は以下のHPをご確認下さい。
厚生労働省ホームページ「雇用保険マルチジョブホルダー制度の申請パンフレット」
こちら


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