厚生労働省から、令和5年12月13日に開催された、第189回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会の資料が公表されました。会のなかで、雇用保険制度見直しに関する報告書素案が示されましたので一部ご紹介します。
◆雇用保険の適用拡大
見直し内容
○雇用保険の適用対象を週の所定労働時間が10時間以上の労働者まで拡大。(令和10年度中)
※ 給付は別基準とするのではなく、現行の被保険者と同様に、基本手当、教育訓練給付、育児休業給付等を支給。
◆教育訓練中の生活を支えるための給付と融資制度の創設
見直し内容
○雇用保険被保険者が教育訓練を受けるための休暇を取得した場合に、賃金の一定割合を支給する教育訓練休暇給付金を創設する。(令和7年度中)
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教育訓練休暇給付金 |
対象者 |
雇用保険被保険者 |
支給要件 |
・ 教育訓練のための休暇を取得すること。 ・ 被保険者期間が5年以上あること。 |
給付内容 |
・ 離職した場合に支給される基本手当の額と同じ。 ・ 給付日数は、被保険者期間に応じて90日、120日、150日のいずれか。 |
○雇用保険の被保険者ではない者を対象に、教育訓練費用や生活費を対象とする融資制度を創設する。
(令和7年度中)
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新たな融資制度 |
対象者 |
雇用保険被保険者以外の者 (雇用保険の適用がない雇用労働者や離職者、雇 用保険の受給が終了した離職者、雇用されること を目指すフリーランス等など) |
融資対象 |
教育訓練費用及び生活費 |
融資内容 |
貸付上限:240万円(年間)(最大2年間) 利率:年2% |
その他 |
教育訓練修了後に賃金が上昇した場合は残債務の一部を免除する |
◆自己都合離職者の給付制限の見直し
見直し内容
○原則の給付制限期間を2ヶ月から1ヶ月へ短縮する。ただし、5年間で3回以上の正当な理由のない自己都合離職の場合 には給付制限期間を3ヶ月とする。(令和7年度から)
○離職期間中や離職日前1年以内に、自ら雇用の安定及び就職の促進に資する教育訓練を行った場合には、給付制限を解除。(令和7年度から)
◆育児休業給付の給付率引上げ
見直し内容
○子の出生直後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、被保険者とその配偶者 の両方が14日以上の育児休業を取得する場合に、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額を給付し、育児休業給付とあ わせて給付率80%(手取りで10割相当)へと引き上げることとする。(令和7年度から)
※ 配偶者が専業主婦の場合や、ひとり親家庭の場合などには、配偶者の育児休業の取得を求めずに給付率を引き上げる。
◆育児時短就業給付の創設
見直し内容
○被保険者が、2歳未満の子を養育するために、時間勤務をしている場合の新たな給付として、育児時短就業給付を創設。(令和7年度から)
○給付率については、休業よりも時短勤務を、時短勤務よりも従前の所定労働時間での勤務することを推進する観点から、時短勤務中に支払われた賃金額の10%とする。
職員の方々に直接関係する見直しが多く含まれていますので、今後の動向に注目していきましょう。
【厚生労働省ホームページ 「第189回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会」】
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