厚生労働省は、令和7年4月1日から、「雇用保険法等の一部を改正する法律」(令和2年法律第14号)の施行により、高年齢雇用継続給付の支給率を変更すると公表しました。高年齢雇用継続給付には「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の2つがありますが、今回は変更内容も含めて、高年齢雇用継続基本給付金についてご紹介します。
◆高年齢雇用継続基本給付金の受給要件
以下①~③の要件全てを満たすことが必要
①60歳以上65歳未満の雇用保険一般被保険者であること。
②雇用保険の被保険者であった期間が5年以上あること。
※離職等による被保険者資格の喪失から新たな被保険者資格の取得までの間が1年以内である事及び その間に求職者給付及び就業促進手当を受給していない場合、過去の被保険者であった期間が通算されます。
③原則として60歳時点と比較して、60歳以後の賃金(みなし賃金)が60歳時点の75%未満となっていること。
◆支給率
・現行
各月に支払われた賃金の低下率 |
賃金に上乗せされる支給率 |
61%以下 |
各月に支払われた賃金額の15% |
61%超75%未満 |
各月に支払われた賃金額の15%から0%の間で、賃金の低下率に応じ、賃金と給付額の合計が75%を超えない範囲で設定される率 |
75%以上 |
不支給 |
・令和7年4月1日以降(変更対象者)
各月に支払われた賃金の低下率 |
賃金に上乗せされる支給率 |
64%以下 |
各月に支払われた賃金額の10% |
64%超75%未満 |
各月に支払われた賃金額の10%から0%の間で、賃金の低下率に応じ、賃金と給付額の合計が75%を超えない範囲で設定される率 |
75%以上 |
不支給 |
◆支給率の変更対象者
令和7年4月1日以降に60歳に達した日(その日時点で被保険者であった期間が5年以上ない方はその期間が5年を満たすこととなった日)を迎えた方が対象。
※令和7年3月31日以前に60歳に達した日(その日時点で被保険者であった期間が5年以上ない方はその期間が5年を満たすこととなった日)を迎えた方は現行の支給率から変更はありません。
◆支給限度額、最低限度額
・支給限度額 376,750円
支給対象月に支払いを受けた賃金の額が支給限度額以上であるときには、高年齢雇用継続給付は支給されません。
・最低限度額 2,295円
高年齢雇用継続給付として算定された額が、この額を越えない場合は支給されません。
※支給限度額、最低限度額は、毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに、毎年8月に見直しが行われています。
厚生労働省ホームページ
「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
こちら