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育児休業等給付 改正により育児休業中の給付率最大80%(手取りで10割相当)へ! (令和7年4月から)

令和6年雇用保険制度改正により、令和7年4月から「出生後休業支援給付」及び「育児時短就業給付」が創設されます。
現状の育児休業給付金では、休業開始時賃金の67%(手取り8割相当(180日経過後は50%))を支給していますが、「出生後休業支援給付金」により、該当者に更に休業開始時賃金の13%を支給し、育児休業給付金とあわせて給付率80%(手取り10割相当)へ引き上げることとしました。
また、「育児時短就業給付金」により、育児休業後も子が2歳に達するまで、時短勤務等の条件を満たした該当者に支給対象月に支払われた賃金の最大10%を支給することで、より柔軟な働き方が選択できるようにしたものです。
今回は新たに創設される、この2つの給付金の支給要件等についてご紹介します。

◆出生後休業支援給付金
□支給要件
①および②の要件を満たした場合に、「出生後休業支援給付金」を最大28日間支給

 ①被保険者が、対象期間(※1)に、同一の子について、出生時育児休業給付金が支給される産後パパ育休または育児休業給付金が支給される育児休業を通算して14日以上取得したこと。

 ②被保険者の配偶者が、「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間に通算して14日以上の育児休業を取得したこと、または、子の出生日の翌日において「配偶者の育児休業を要件としない場合」(※2)に該当していること。

※1 対象期間
 ・被保険者が産後休業をしていない場合(被保険者が父親または子が養子の場合)は、「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間。
 ・被保険者が産後休業をした場合(被保険者が母親、かつ、子が養子でない場合)は、「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して16週間を経過する日の翌日」までの期間。

※2 配偶者の育児休業を要件としない場合
1.配偶者がいない
配偶者が行方不明の場合も含みます。ただし、配偶者が勤務先において3か月以上無断欠勤が続いている場合または災害により行方不明となっている場合に限ります。
2.配偶者が被保険者の子と法律上の親子関係がない
3.被保険者が配偶者から暴力を受け別居中
4.配偶者が無業者
5.配偶者が自営業者やフリーランスなど雇用される労働者でない
6.配偶者が産後休業中
7.1~6以外の理由で配偶者が育児休業をすることができない
配偶者が日々雇用される者など育児休業をすることができない場合や、育児休業をしても給付金が支給されない場合(育児休業給付の受給資格がない場合など)が該当します。なお、単に配偶者の業務の都合により育児休業を取得しない場合等は含みません。

□支給額
休業開始時賃金日額×休業期間の日数(28日が上限)×13%

◆育児時短就業給付金
□支給要件
 2歳未満の子を養育する雇用保険の被保険者が、育児時短就業をした場合であって、次の①~③のいずれかの要件に該当するときは、「育児時短就業給付金」を支給

①原則として、育児時短就業を開始した日前の2年間において、雇用保険のみなし被保険者期間が通算12ヵ月以上あること
②育児時短就業にかかる子について、育児休業給付金の支給を受けていた場合であって、当該給付金にかかる育児休業の終了後に引き続き、育児時短就業をしたこと
③育児時短就業にかかる子について、出生時育児休業給付金の支給を受けていた場合であって、当該給付金にかかる出生時育児休業の終了後に引き続き、育児時短就業をしたこと

□支給額
 ・時短就業中に支払われた賃金が時短就業開始時の賃金日額の90%未満の場合
→ 時短就業中(支給対象月)に支払われた賃金に10%を乗じた額

 ・時短就業中に支払われた賃金が時短就業開始時の賃金日額の90%以上100%未満の場合
→ 時短就業中(支給対象月)に支払われた賃金に10%から一定の割合で逓減するように厚生労働省令で定める率を乗じた額

育児時短就業給付金は、特に該当される方が多くなりそうな給付金ですので、事前に要件等を確認しておきましょう。

厚生労働省ホームページ
 「育児休業等給付について」
 こちら


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