医療福祉経営通信

[Q&A] 社会医療法人について ①

第5次医療法改正により法制化された社会医療法人に関して、全2回に渡りその概要等を紹介しています。

Q1.社会医療法人とはどのような法人ですか。

社会医療法人は平成19年4月に施行した「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を
改正する法律」によって創設された新たな医療法人類型の一つです。(但し、新医療計画との連動、或いは
税制との整合を待ったため、事実上平成20年4月スタートとなりました。)
医療法第42条の2において、医療法人のうち、一定の要件に該当するものとして都道府県知事の認定を受けた
ものが「社会医療法人」とされています(一定の要件についてはQ2を参照ください)
社会医療法人は、地域で必要とされる公益性の高い医療(救急医療、小児医療等)を担う医療法人として、
地域医療の中核を補完する役割が求められています。また自治体病院の受け皿という位置づけとしても期待
されています。

社会医療法人の形態は「財団」又は「持分の定めのない社団」と定められており、また主な特徴としては
①課税が軽減されている
②収益業務の実施が認められている
③社会医療法人債の発行可能     等があります。

 
Q2.社会医療法人の認定要件について、教えてください。

医療法人が都道府県知事の「認定」を受け社会医療法人となるためには、次に掲げる要件に該当することが
必要です。
(1)同一親族等関係者の制限
社会医療法人の社員及び役員等について、それぞれの総数に対して特殊の関係がある者の割合が3分の1を
超えていないことが求められます。
(2)救急医療等確保事業の実施(実績の要件等も含みます)
その医療法人が救急医療やへき地の医療、小児医療等の救急医療等確保事業(その医療法人が開設する病院
又は診療所の所在地の都道府県が作成する医療計画に記載されたものに限る)に係る業務をその病院又は
診療所の所在地の都道府県にて行っていることが求められます。
加えて、救急医療等確保事業の業務について、構造設備・体制・業務実績に関しても厚生労働省が定める基準に
適合していることが必要です。
(3)公的な運営に関する要件に適合
社会医療法人の運営に関して、役員の定数やその選任方法並びに役員等に対する報酬等の支給基準を定める
ことが必要とされています。
(従来特定医療法人に定められていた役員報酬の上限規定(いわゆる3,600万円上限規定)は社会医療法人には
定められませんでした)
また、社会医療法人関係者に対する特別利益供与の禁止や遊休財産の保有制限等も盛り込まれています。

社会医療法人の事業に関しては、診療収入に対する制限や自費患者に対する請求方法の規制等が示されており、
解散時等における残余財産の帰属先についても、その医療法人の定款又は寄附行為において残余財産を国、
地方公共団体又は他の社会医療法人に帰属させる旨を定める等、その医療法人の運営が公的な運営に関する
厚生労働省令で定める要件に適合していることが必要となります。

認定要件の詳細については

こちら

を参照ください

「出典:MMPG 資料より一部抜粋」
篠原公認会計士事務所グループ 医療経営かわら版推進室


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