医療福祉経営通信

持分ありの医療法人にもグループ法人税制が適用されます

平成22年度税制改正において、100%完全支配関係にあるグループ内の法人間取引についての税制と
してグループ法人税制が創設されました。
このグループ法人税制は、出資持ち分を有する経過措置型医療法人にも適用されるため、特に、親族が
経営する他の医療法人やメディカルサービス法人等との間での一定の資産の譲渡等の取引については、
今後注意が必要となります。

適用範囲は、一の者が法人の株式又は出資の全部を直接もしくは間接に保有する関係がある法人であり、
この株式又は出資の保有関係の判定においては、以下のような特殊の関係にある個人も含めて判定されます。
①株主等の親族
②株主等と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
③株主等(個人である株主等に限る。次号において同じ。)の使用人
④前①~③に掲げる者以外の者で株主等から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているもの
⑤前①~③に掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族

特に、医療法人の出資金への対応策として含み損益を有する不動産の売却等を実行する場面において、
その売却先がグループ法人税制の適用範囲であれば、当該譲渡損益は繰り延べる取扱いとなっている
ことからも注意が必要です。

グループ法人税制とは?

グループ税制.jpg
グループ税制資料.pdf
篠原公認会計士事務所グループ 医療経営かわら版推進室


医療福祉経営通信