医療福祉経営通信

厚生労働省が示す「社会保障制度改革の方向性と具体策」についての最新情報

平成23年5月12日に、厚生労働省が昨年設置さした『厚生労働省社会保障検討本部』により取り纏めた「社会保障制度改革の方向性と具体策」が報告されました。
当報告は、今後政府によって開催される『社会保障改革に関する集中検討会議』の議論のたたき台として、社会保障制度改革の基本的な方向性から医療・介護を含む個別分野における改革の方向性について取り纏められてます。
医療・福祉・介護に関わる主な報告内容は以下の通りです。

医療・介護に関する以下の各施策について、「診療・介護報酬改定に適切に盛り込むとともに、医療・介護サービス提供体制の基盤整備を図るための一括的な法整備を行う」ことが明記されています。

◆医療・介護サービスの提供体制の効率化・重点化と機能強化
  ○医師確保、介護職員当の人材確保と資質の向上
  ○病院・病床の機能分化・機能強化・専門職種間の協働と役割分担の見直し 
  ○在宅医療・介護体制の強化、地域包括ケアシステムの確立
  ○サービス付き高齢者住宅等の居住系サービスの充実等による特養待機者の解消
  ○精神保健医療の改革、認知症対策の強化、介護予防・重症化予防への重点化
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地域包括ケアシステムとは「機能分化や重層的に住民を支える医療・介護サービスのネットワークを構築し、住み慣れた地域(日常生活圏)で必要な医療・介護サービスを継続的・一体的に受けることのできる体制」をいう旨が本報告書内で明記されています。
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◆保険者機能の強化を通じた医療・介護保険制度のセーフティネット機能の強化、給付の重点化
  ○非正規労働者への被用者保険の適用拡大
  ○市町村国保財政の広域化と低所得者対策の強化
  ○高度医療や高額かつ長期にわたる医療への対応と重点化

◆予防の推進、制度運営に当たっての効率化
  ○生活習慣病の予防、介護予防・重症化予防、ICTの利活用推進、後発医薬品の更なる使用促進

その他個別分野への施策として、低所得者対策(社会保険の揺らぎの補完と所得再分配機能の強化)については高額療養制度の見直しや住宅支援の仕組みの強化の検討、障害者施策については障害保健福祉の実施に要する財源の安定的な確保についても示されています。

詳細については以下の厚生労働省HP並びに報道発表された資料を参照下さい。

           篠原公認会計士事務所グループ 医療経営かわら版推進室


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