現在、厚生年金保険法及び健康保険法では、「二月以内の期間を定めて使用される者」(引き続き使用されるに至った場合を除く)は適用除外としています。
2か月以内の雇用契約であっても、これを継続反復しているような場合には、「引き続き使用されるに至った場合」として、被用者保険の対象としていますが、当該最初の雇用契約の期間は適用の対象となっていないため、雇用の実態に即した被用者保険の適切な適用を図る観点からの見直しを行うこととなりましたのでご紹介します。
【見直し内容】(令和4(2022)年10月施行)
雇用保険の規定等も参考にし、「二月以内の期間を定めて使用され、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれない者」を適用除外にすることにより、雇用契約の期間が2か月以内であっても、実態としてその雇用契約の期間を超えて使用される見込みがあると判断できる場合は、最初の雇用期間を含めて、当初から被用者保険の適用対象とする。(適用拡大と同時に施行)
※雇用保険法第6条第2号では、雇用保険の適用除外者として「同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれない者」と規定。
【具体的な事務の取扱いのイメージ】
被用者保険の適用拡大における勤務期間要件の事務の取扱いと同様に、以下のとおり取り扱う。
・雇用期間が2か月以内の場合であっても、
(ア)就業規則、雇用契約書等において、その契約が「更新される旨」、または「更新される場合がある旨」が明示されている場合
(イ)同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき雇用されている者が更新等により最初の雇用契約の期間を超えて雇用された実績がある場合は、当初から適用する。
・ただし、(ア)(イ)のいずれかに該当するときであっても、労使双方により、最初の雇用契約の期間を超えて雇用しないことにつき合意しているときは、雇用契約の期間を超えることが見込まれないこととして取り扱う。
たとえ、上記のような合意があったとしても、事業所調査で、労働者名簿等に基づき従業員等の雇用契約書等を確認し、上記(ア)(イ)のいずれかに該当することが事後的に判明した場合は、契約当初(保険料徴収の時効を踏まえて2年)に遡及して適用するよう指導されることとなりますのでご注意ください。
例) 1/1~2/28までの雇用契約を結び、結果的に3/1以降も雇用関係が継続した場合
・改正前
1/1~2/28まで 国民健康保険、国民年金に自身で加入
3/1~ 健康保険、厚生年金保険に会社で加入
・改正後 ※3月1日以降、1月1日に訴求して加入手続きを行うこととなります
1/1~ 健康保険、厚生年金保険に会社で加入