今年の10月から義務化される予定でした、安全運転管理者によるアルコール検知器を用いたアルコールチェックについて、世界的な半導体不足によるアルコール検知器の供給不足等を背景に、当分の間延期されることとなりました。
そもそも、安全運転管理者という言葉を聞きなれない方もいらっしゃると思いますので、今回は、安全運転管理者の選任、及び安全運転管理者の業務についてご紹介します。
◆安全運転管理者の選任義務
「乗車定員が11人以上の自動車1台以上」、又は、「その他の自動車5台以上(51cc以上の自動二輪車は0.5台でカウント)」を使用している事業所では、事業所毎に自動車の安全な運転に必要な業務を行う者として安全運転管理者の選任を行わなければなりません。(定員数に関わらず、自動車を20台以上保有する場合には、20台毎に副安全管理者の選任も必要)
※リース車両やマイカーを業務に使用している場合、事業者がその自動車の所有権、賃借権等を有しておらず、その運行も通常は従業員が自由に行えるのであれば台数にカウントされません。
安全運転管理者を選任した際には、その日から15日以内に、以下の書類を事業所を管轄する警察署に届出る必要があります。
・安全運転管理者に関する届出書
・戸籍謄本又は本籍の記載のある住民票の写し
・運転免許証の写し
・運転記録証明書(3年もしくは5年のもの)
◆安全運転管理者の資格要件
・年齢20歳以上(副安全管理者の選任が必要な事業所については、30歳以上)
・運転管理実務経験2年以上
(運転管理の実務経験が2年に満たない場合は、同等以上の能力があると公安委員会が認定した者)
◆安全運転管理者の業務
・運転者の適性等の把握
自動車の運転についての運転者の適性、知識、技能や運転者が道路交通法等の規定を守っているか把握するための措置をとること。
・運行計画の作成
運転者の過労運転の防止、その他安全な運転を確保するために自動車の運行計画を作成すること。
・交替運転者の配置
長距離運転又は夜間運転となる場合、疲労等により安全な運転ができないおそれがあるときは交替するための運転者を配置すること。
・異常気象時等の措置
異常な気象・天災その他の理由により、安全な運転の確保に支障が生ずるおそれがあるときは、安全確保に必要な指示や措置を講ずること。
・点呼と日常点検
運転しようとする従業員(運転者)に対して点呼等を行い、日常点検整備の実施及び過労、病気等により正常な運転ができないおそれの有無を確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与えること。
・安全運転指導
運転者に対し、「交通安全教育指針」に基づく教育のほか、自動車の運転に関する技能・知識その他安全な運転を確保するため必要な事項について指導を行うこと。
・運転日誌の備付け
運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させること。
・アルコールチェック(今年4月から義務化)
運転前後の運転者の状態を目視等で確認することにより、運転者の酒気帯びの有無を確認すること。
酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること。
※延期期間終了後からは、アルコール検知器を用いたアルコールチェックが義務化。
警視庁ホームページ
安全運転管理者事務処理要綱
こちら
千葉県警察ホームページ
安全運転管理者制度
こちら