かわら版

受託業務の内部統制監査

取引の記帳又は会計書類・帳簿の作成に係るコンピューター処理を請負う計算センターや
投資の意思決定、取引の実行・記録又は有価証券等の現物の保管を行う信託銀行など、
他の企業から業務を受託する会社の内部統制が注目されています。
JSOX法の適用により、財務諸表の基礎となる取引の承認、実行、計算、集計、記録等の
業務を外部に委託している上場企業は、委託業務に係る内部統制を理解し統制リスクの
評価を行うことになっているからです。
外部委託の内部統制の有効性評価手続として、日本公認会計士協会監査基準委員会
報告書第18号「委託業務に係る統制リスクの評価」があります。
この報告書に基づき、受託会社が当該業務に係る内部統制の整備・運用状況について、
委託者側の財務報告に係る内部統制との関係において記述した上で、独立した外部監査人が
その有効性を検証し意見表明したのが「18号監査報告書」です。
委託企業は、受託企業によって行われた「18号監査報告書」の提出を依頼します。
多数の委託先から業務を受託している企業では、複数の委託企業の会計監査人による
複数回の監査に対応する必要が生じますが、「18号監査報告書」を提出した場合、各々の
委託企業の会計監査人は「18号監査報告書」を検討すれば良いため、受託企業の負荷は
大きく軽減されます。
また「18号監査」を受けた確立された内部統制の有る企業として、他の受託会社との差別化を
図ることが出来ます。
昨今の内部統制厳格化の流れから、特に上場会社等のJSOX法適用会社では「18号監査
報告書」の有無が受託会社選定の重要な条件になると思われます。
「18号監査報告書」には、基準日における内部統制の設計の有効性を評価する「内部統制の
整備状況報告書」と、一定期間、内部統制の運用の有効性をも評価する「内部統制の整備
及び運用状況報告書」の2種類があります。
検証初年度においては、「整備状況」のみを検証し、翌年度以降「運用状況」を含めて検証
することが一般的と思われます。


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