かわら版

経審(けいしん)が9年ぶりに大改正される

公共工事に参加する全国18万の建設業者が直接影響を受ける経営事項審査(略して「経審」)が9年ぶりに大改正され、4月1日から施行されています。

改正の大きな柱は以下の5点です。

1.完工高(X1)の評点は、年間完工高5億円未満の企業ではダウンします。

2.自己資本・職員(X2)が自己資本額・EBITDA(イービットディーエー)の額(X2)に変更され、概ね自己資本(純資産)8000万円、EBITDA5000万円以下の中小零細企業では平均的な値(700点)を下回ることになります。

3.経営状況(Y)に大規模企業ほど有利となる「絶対的指標」が導入されました。従って、中小企業ではいかに財務内容に優れていても、最高得点の1593点から400点強下回る1100点前後が実質上のYの上限値となります。

4.技術力(Z)の評価項目に「元請完工高」が新たに取り入れられたため、下請工事の割合の多い中小零細企業では乙の評点が下がることになります。

5.その他(W)の評点幅が拡大され、コンプライアンスに前向きな企業、雇用保険や社会保険に洩れなく加入している企業、それに会計参与を導入する等経理の透明性に努めている企業に対しては加点措置が織り込まれました。

以上から、中小・零細企業は『1』~『4』項目では総じて評点がダウンすることになります。しかし、その他の項目(W)の社会性の向上等に鋭意取り組むことで『1』~『4』の減点分を「失地回復」することも十分可能です。

なお、経営状況(Y)において、経審の評点と倒産確率の相関関係を高めるような指標の見直しが行なわれた結果、経審のYの評価項目と金融機関の企業評価の項目が近似することになりました。

改正により経審対策と金融機関等に対する対策を一体として進めることが容易になった点は企業経営者の方々及び私共会計人にとっても歓迎すべき点であります。


かわら版